眼科手術をするには、必ず術前検査が存在する。採血や心電図などの全身検査と、眼の検査に大きく2つに分かれる。

全身検査で問題となり手術が延期、中止になる場合は、眼科医としてはどうしようもない…。

ただし、眼の検査データーには、主に白内障手術の術前検査データは、それこそ術者の経験や勘、そしてその施設ごとの傾向が現れる。そんな感覚でいた…。

今回、最新型のIOLマスターをデモした。以前にもデモしたが、改めてその精度の高さに注目したからだ。眼内レンズ(IOL)の度数決定に必要不可欠な機器で、その精度はさることながら、測定時間の短さや簡易性には目を見張るものがある。職員達の負担が減り、患者様も楽。その上得られるデーターは正確で膨大。何より検者による測定結果の差がほとんど無いのが有り難い。

実は、ある3焦点IOLの手術時にオラが示したIOL度数が用意しておいたIOL度数では補えないぐらいの差が出た事があった。迷わず患者様には、後日二次挿入をお勧めした。うちは、オラで術中診断するからその差は致命的となる。3焦点IOLは、海外発注する代物なので、数が増えればその分費用も増える。術前検査のデーターが正確になり、オラとの差が無くなるのが理想。それで患者様の余計な経済的な負担を減らせるし、術後の満足度の向上につながるはず。2焦点や単焦点は日本のメーカーのため在庫を抱えられるから…オラとズレても3焦点ほど深刻な問題にはならない。今回の経験から…今一度IOLマスターに注目した。

IOLの度数計算にバレット式という第4世代の計算式を用いる事ができる事とトータルケラト値を用いる理論のため、実測値であるオラとのズレも減ると予想される。

3焦点IOLとレーザー白内障手術という世界最高峰の最先端手術に携わっている今…それに相応しい術前検査が必要になるのは必然。

もちろん…単焦点IOLや2焦点IOLの度数選択にもその恩恵は受けられるので、良いことずくめだ。

レベルの高い白内障手術とは患者様のニーズに高いレベルで応える事のできる事だと考える。その思いを具現化するツールを下之城眼科はまた一つ手に入れた。オラもベリオンも、そしてIOLマスターだって100%正確では無い、だから単体だけで結果を評価するのでは無く3つのツールから得たデーターを総合的に判断して最高を目指し、最高に近づける。この3種の神器が揃っているクリニックは…日本中見回してもそんな多くは無い。

まさにIOLマスターは、ベリオンからオラ、LenSxとマニュアル手術のそれぞれを一つに繋ぐ…唯一欠けていたピースなんだと気付かされた。

全ては…患者様のために…よりプロフェッショナルな仕事(手術)を目指し進歩していきたい。

下之城眼科クリニック